没後50年の山川方夫

先日、創元推理文庫から山川方夫のミステリ傑作選「親しい友人たち」が発売されました。さらに、今月には慶應義塾大学出版会から「展望台のある島」が刊行されます。


なぜ今なのか?

山川方夫は、1965年に、トラック事故により35歳の若さで逝去しています。今年はちょうど没後50年にあたる年です。今年が著作権で保護される最後の年なので、刊行が続いているのでしょう。

山川方夫とは誰なのか?

山川方夫といっても誰だろうと知らない人もいるかもしれません。「夏の葬列」という作品が、教科書にも載っており代表作といえるかもしれません。これは戦争をテーマとする短い小説ですが、いくつもの仕掛け、ドンデン返しがあります。「親しい友人たち」にも収録されている通り、ショートショート、ミステリのひとつとして描かれたのです。ですが、創作でありながら、色濃い戦争の記憶というものが生かされており、純文学的な味わいもあります。実際「親しい友人たち」の解説では作家の法月綸太郎が山川が生きていれば、「純文学とミステリの距離はもっと近づいていたのではないか」といった仮説を立てていますが、それはあながちまちがいではないかもしれません。

編集者、放送作家?

山川方夫は小説以外にも、「三田文学」の編集長としても活躍しました。さらに放送台本も書いており、現在ならば放送作家的な仕事もしていたといえます。マルチな活躍をしていた人間が、35歳の若さで亡くなってしまったのは残念でなりません。

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