気持ちを吐き出す大切さ

植本一子による「家族最後の日」(太田出版)は、彼女の日記で日々の気持ちが吐露されています。植本はこれまでにも「働けECD」「かなわない」といった本で、家族と身の回りについて赤裸々な文章をつづってきました。年上のミュージシャンであるECDと結婚し、2人の子どもをもうけ、子育てに追われる日々を過ごしている彼女の前に、大きな困難が立ちはだかります。


母親との不和、義弟の死

本書では冒頭に、実家の母親との絶縁が記されています。子どもを連れて実家へ戻るも、やはり気持ちの折り合いがつかず、二度とこの家へ戻らないと決め東京へ戻ります。さらに、夫の弟、つまりは義理の弟(とはいっても年齢差があるため彼女より年上)の自殺ものしかかります。さらに夫に、進行性のがんが発覚。その中で彼女は精神の糸が切れそうになりながらも、まわりの人間たちに支えられて生きてゆきます。それでも80歳をむかえようかという夫の父親(義理の父親)とは性格が合わずうとましく思う気持ちが記されています。さらに夫の病気を受けてまわりの人間がかける言葉の無防備さに、傷つく場面もあります。

ヒリヒリとした言葉

本音を吐露した言葉はネットにはあふれています。吐き出すような言葉たちです。それらの言葉は決して表現とはなっていません。しかし「家族最後の日」はまぎれもない表現だと感じ取れます。

    
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