村上春樹、なぜ芥川賞取れなかった?

村上春樹は、毎年ノーベル文学賞の候補にあがる作家です。しかし、候補にあがればあがるほど、受賞が遠ざかっているようにも見えます。さらに村上春樹は、ノーベル賞ばかりではなく日本の純文学において最高峰とも言える芥川賞も受賞を逃しています。そのなぜに答えた本が、市川真人による『芥川賞はなぜ村上春樹に与えられなかったか』(幻冬舎)です。


2度候補になっている

村上春樹はこれまで、1979年のデビュー作「風の歌を聞け」と、1981年に「1973年のピンボール」で芥川賞候補となっています。しかしながら、評価は決して高いものではありませんでした。その理由としては「外国文学の読み過ぎではないのか」「もう一作読んでみたい」といったもので、選考委員が自身を持って推せていない様子が伺えます。実際、このあいまいなポジションというべきものが村上春樹自身が立っている位置とも重なるのではないでしょうか。

イフも記されている

本書にはもしも芥川賞が村上春樹に与えられていたらというイフの議論も含まれるものです。もちろんそれは、存在しない事実ですから、不可逆的なものです。しかしながら文学の自由な読みというべきものは、そうした妄想の自由までもを保障すべきなのではないでしょうか。村上春樹の名前くらいは知っている人にとっては文学や文壇といったものの一端をうかがい知ることができる本だと言えますね。

    
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