W村上どっち派?

80年代の日本文学においてW村上と呼ばれる存在がいました。言うまでもなく村上春樹と村上龍です。両者はW村上と呼ばれていました。なぜ同列に論じられていたのかといえば、世代が近く、共通項があるということがあげられるでしょう。


W村上の共通項

W村上には多くの共通項があります。まず、2人とも戦後生まれということがあげられるでしょう。さらに、アメリカ文化の影響を強く受けているということあげられます。村上春樹はジャズやアメリカ文学などの影響を、村上龍は長崎県佐世保市出身のため、実際の米軍文化、アメリカの強さなどに触れています。それはアメリカに文化的に支配された戦後日本の象徴ともいうべき存在でした。いわば、日本人の誰もが村上春樹であり村上龍であったともいえるでしょう。そのために、共感を呼ぶことになったのです。

作風は異なる

そうでありながらも、W村上の両者の作風は異なります。村上春樹は、現実を描きながらも、どこかファンタジックな世界観を描き続けます。さらに、男女のドメスティックな関係に引きこもるようなところもあるでしょう。現実に向き合っているようでいながら向き合っていないのが春樹でした。一方の村上龍は、デビュー作「限りなく透明に近いブルー」の性とドラッグの世界観は実体験をもとにしたものといわれていますし、「愛と幻想のファシズム」など、よりリアリティに接近しようとします。現実に向きあおうとして超現実的になってしまうのが龍であったと言えるでしょう。それゆえに読者の好き嫌いが別れて龍派、春樹派が生じたのかもしれません。

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