夏の作家、山川方夫の世界

戦後70年の節目となり、多くの戦争にまつわるテーマが回顧されています。戦争にまつわる文学作品も多く読み直されていることでしょう。その中で隠れた名作といえるのが山川方夫の「夏の葬列」です。


ショートショート

「夏の葬列」はとても短い作品です。しかし、その短い作品の中に、いくつものエッセンスが詰まっています。さらに、思わぬドンデン返しもあります。これはショートショートと呼ばれるジャンルで、もともと「夏の葬列」もミステリー雑誌に連載された作品のひとつです。

戦争の記憶

「夏の葬列」のストーリーは、あるサラリーマンの主人公が、戦時中に疎開していた海辺の街を訪れることからはじまります。サラリーマンの男性は、戦時中にあるひとつの後悔があり、それがずっと心残りでした。その後悔の痕跡を確かめるため、街を歩いて思わぬ事実に遭遇してしまいます。ショートショートのため、あらすじを書いてしまえばネタバレとなってしまいます。「夏の葬列」は国語の教科書にも掲載され、その思わぬ展開がトラウマとなっているという人も多いでしょう。

乾いた世界

山川方夫の小説はとても乾いています。作者自身が、交通事故で34歳の若さであっけなく亡くなってしまったことも、その作風を印象つけるのかもしれません。戦後70年の節目に呼ばれるべき作家の一人であることは確かでしょう。

    
コメント