野坂昭如と雑文

2015年12月に85歳で亡くなった野坂昭如さんの肩書はなんでしょうか。まず作家という肩書は誰もが納得するところでしょう。しかし、彼にはそれだけにとどまらない多彩な肩書がありました。まずCMの作詞を行う作詞家としての顔があります。「おもちゃのチャチャチャ」や「電話はヨイフロ」でおなじみのハトヤホテルも野坂さんの作詞です。さらに放送作家や脚本家としての顔もあります。そしてもっとも彼ににつかわしい肩書が、野坂さん自身も好んで使っていた雑文をしたためる雑文家ではないでしょうか。


雑文とは何か

雑文とはなんでしょうが。文字通り雑駁な文章というものをさします。専門的ではない書き流した文章という意味合いもあるようです。野坂さんのスタンスというのはまさに、専門的ではない立場から書く文章にあったのではないでしょうか。野坂さんは焼け跡闇市派を自称していました。戦争の空襲で育ての両親を失い、さらに妹も栄養失調でなくしています。その後は生きるためになんでもして、なんでも食べてというハングリーな生活をしいられます。その体験から雑文を書くこと、決して専門的な立場におさまらず、幅広い興味を持つというところに野坂さんの魅力の原点があるのかもしれません。

エッセイストではない

いまは雑文という言葉はエッセイという言葉におきかわるのかもしれません。ですが、野坂昭如さんにエッセイストという肩書はどうも似合わないのは確かでしょう。やはり雑文という言葉がぐっとはまるのです。

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