「ねじ式」に出てくるメメクラゲとは?

漫画家のつげ義春の不朽の名作「ねじ式」は、血を流した腕を抑える青年のコマから始まります。そして「こんなところにメメクラゲがいるとは思わなかった」という青年のセリフがあります。


メメクラゲは実在しない?

このメメクラゲというのは実在する生物ではありません。最初、作者は内容を伏せたバツバツとして記されていたのです。

マンガの原稿というのは、セリフの文字は編集過程で入れるため、原稿を書き上げた時はセリフの内容を鉛筆書きで記すことになります。コンピューターによる編集が普及する前は、写植と呼ばれる活字の文字を手作業で貼っていたので、消しゴムで消しやすいように鉛筆描きがなされていたのです。

そのため、作者によっては文字の癖などがあって間違った文字として読まれてしまうこともありました。カタカナのメメの文字がバツバツとなってしまったのです。

間違いが定着

しかし、バツバツクラゲというのも不思議な味わいがあるので、そのまま定着してしまったというわけです。

「ねじ式」はつげ義春自身が見た奇妙な夢を漫画家しています。そのため、目医者だらけの街や、逆走する蒸気機関車といった不思議なモチーフが出てきます。

そのような不思議な物語の始まりとして匿名性の高い生き物としてバツバツクラゲを作者は作り上げたのでしょうが、それがまったく実在しないデタラメな生物であるメメクラゲとなることで、さらに深い味わいとなっています。

    
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