「リバーズ・エッジ」と和光学園

岡崎京子による名作漫画『リバーズ・エッジ』が、行定勲監督の手にとって映画化されました。主人公を演じるのは二階堂ふみです。

私服の私立学園

『リバーズ・エッジ』の舞台は、海に面した郊外の土地、セイタカアワダチソウが生い茂る場所です。この河原には人間の死体があり、それを「宝物」として崇める人たちが登場します。これには死をはっきりと感じることによって生の意味を知るという意図があるのでしょう。『リバーズ・エッジ』の主人公たちが生きるのは1993年から1994年にかけての世界です。高校生ながら主人公たちは私服で通学しています。私服の高校というのはまったくないわけではありませんが、珍しいといえるでしょう。彼らの連絡手段は家にある電話と公衆電話です。ポケベルや携帯電話は持っていません。ましてやインターネットといったものともまったく無縁の世界です。

小沢健二が楽曲を提供

本作は小沢健二が主題歌『アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)』を提供したことでも話題となりました。この歌詞は小沢健二自身の実体験が盛り込まれているといわれています。そこには彼にとって友人である岡崎京子への思いも込められているのでしょう。

和光学園が舞台

『リバーズ・エッジ』の私服の学校は、私立の和光中学・高校がロケ地として使われています。この学校は小沢健二が中学まで通ったことで知られています。同級生にはコーネリアスこと小山田圭吾がおり、彼は中学高校をこの学校で過ごします。小沢と小山田はのちにフリッパーズギターを結成し、解散後はお互いに没交渉な状態で育っています。小沢健二が通った和光学園の同級生たちの証言が載っている本が『前略小沢健二様』(太田出版)です。本書は『リバーズ・エッジ』的な世界観を読解する副読本としてあげられるでしょう。