ヘタクソバンザイ主義とはなにか?

戦後の高度経済成長期に、労働者の間では多くのサークル活動が行われていました。それは、サークル活動を通してレクリエーションを行うことでお互いのことを知り、職場の仲間意識を高めるという目的がありました。活動のひとつとして盛んにおこなわれていたのが詩の創作です。労働と詩というのは一見、結びつかないかもしれませんが、労働者こそ芸術をやるべきという考えが根本にはありました。


なぜに詩なのか?

なぜに詩のサークルが広がったのかといえば、詩作というものが制約のない自由な文章表現であったためでしょう。小説ならば長文を書かなければならず構成や推敲などが必要になります。さらに短い文章といっても、短歌や俳句となると、細かいルールなども定められている。一方で詩ならば、労働のつらさや、一方では歓びといったものを、そのまま自由に言葉としてぶつけられるというものがありました。

なんでもいいから書く

その際に大切にされたこととして、何でもいいから書く、とにかく書くということです。その姿は「ヘタクソバンザイ主義」とも呼ばれました。国鉄職員がトイレ掃除の様子をたんたんと綴った詩など有名な労働者の詩もあります。高度経済成長期に多くあった詩のサークルは自らの作品として文集をのこしているところもあります。これらの資料は、労働者の生の声や時代状況を知ることのできる貴重なものとなっています。

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