80年代にも学生運動があった?

学生運動と聞いて思い浮かべるイメージはなんでしょうか。モノクロ映像でニュースに流れる東京大学の安田講堂の陥落シーンなどが代表的でしょう。そのような遠い過去の出来事として記録されているのが学生運動の通俗的なイメージかもしれません。


続いていた?

しかしながら学生運動は1960年代から70年代にかけてのものではなく、その後の80年代から90年代にかけても続いていました。その世界の一端をうかがい知ることのできる本が中川文人による『ポスト学生運動史:法大黒ヘル編 1985~1994』(彩流社)です。聞き手を務めるのは外山恒一です。ちょっとマニアックな政治に詳しい人ならば2007年の東京都知事選に立候補し、過激な政見放送で話題となった人物としてご存知なのではないでしょうか。外山は、このほかにも同世代の学生運動家のインタビューを行っています。大学の研究などでも本格的に取り扱われていない分野ですが、後の現代史研究の貴重な成果となるでしょう。

何があったのか?

本書で語られるのは関東において学生運動のメッカといわれた法政大学をめぐる話です。この当時の法政大学には学生が自主管理するサークル施設や、学園祭などが行われていました。今の無機質な大学空間からすると、このような場所があったのだと驚くことでしょう。さらにこの時代はソ連の消滅など共産主義の崩壊もありました。その過程において学生運動家は何を見て、何を思っていたのかを本書では知ることができます。

    
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