戦後史を現代につなげる

日本史の勉強は多くの人が小学校から中学、高校にかけて行います。特に高校の日本史は、大学受験の科目として選択する人も多いとあって、旧石器時代からじっくりかけて学びます。ところが、古い時代から始めるため、現代史、特に戦後の歴史はないがしろにされがちです。


近い方が興味が持てる?

これは考えてみればおかしな話です。自分の生まれる前くらいの話、両親や、あるいは祖父母の世代の話の方が興味が持てるし、現在へつながる要素も多いのではないかと思いますが、日本史は順繰りにといいますか、最初の最初から学ぶようになっています。そのため、現代史はないがしろにさがれちな印象があります。

外山恒一による現代史講座

そんな現代史を学ぶにあたってスリリングな本といえるのが外山恒一による『良いテロリストのための教科書』(青林堂)です。タイトルは奇抜ですが、内容は極めてまっとうな本だといえるでしょう。本書は右翼や左翼といわれる思想がどう発展してきたのかを概略として追い、さらに戦後の政治体制の中でどのように変化を遂げてきたのかについて語られています。架空のインタビュアーを立てて外山恒一が語っているので、話し言葉となっており非常にわかりやすくなっています。

社会運動の歴史

さらに本書では、社会運動の歴史についても解説が試みられています。たとえば、戦後にながらく左派政党として存在してきた社会党と共産党はどう違うのかといった疑問から、あるいは共産党から分かれた新左翼党派、さらには311以降の反原発運動、新しい若者の社会運動として注目されたシールズまで、著者なりの解説が行われています。戦後史と現代史をリンクさせたスリリングな本であるといえるでしょう。

    
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