平成とは何だったのか

平成が終わるにあたって、平成をふりかえる書物が多く出ました。そのなかでも、平成を皇室や天皇に注目して記された本が原武史による『平成の終焉:退位と天皇・皇后』(岩波新書)です。

行幸の記録

本書では、平成時代の天皇と皇后が、日本のどこを訪れて、どのような人々とどのような対話を交わしてきたのかについてつぶさに検討されています。巻末には、平成の天皇が、皇太子時代から、訪れた街がマッピングされています。著者の労力がうかがえます。

平成流とは何か

本書ではそれぞれの代の天皇ごとに、行動様式に変化が訪れているとも指摘しています。それは天皇や皇族であったとしても人間であるわけですから、それぞれの気質といったものが自然と現れるのは当然のことではあるでしょう。

3つの視点

本書はまず、平成時期に天皇が生前退位に触れて、そこから発したおことばについて詳細な解説がなされています。続いて、平成の天皇が皇太子時代に訪れた行啓の記録についても記されています。さらに最後にはこれからの天皇、皇族のありかたについて「ポスト平成の行方」として記されています。それは普通の家庭に当てはめてみれば当然のことではあるのですが、天皇や皇室となるとタブーに踏み込んだ議論のようにも見えてきます。そうした話が岩波新書で記されることも、ひとつの開かれた皇室をめぐる議論の端緒となりえるのかもしれません。