書生とはなにか?

昔の言葉で書生といわれるものがあります。作家の家などに住み込んで文学修行に励む人といったイメージで昔のドラマや映画、あるいは小説に出てきますが、どのような人たちだったのでしょうか。

明治大正の話

日本において書生は主に明治時代から大正時代にかけて、血縁などのない他人の家に住み込んで雑用などを任される学生を指しました。現在は大学生や専門学校生などのひとり暮らしというのは当たり前になっていますが、当時は単身者が住むような住所はありませんでした。さらに炊事や洗濯などの家事にも不慣れな若者が多くいたため、まずは親戚縁者などの家にお世話になるというスタイルがありました。しかしそうした人たちは下宿費を支払っているわけで、いわば居候といったわけではありません。ある程度の契約関係が成り立っていたといえるでしょう。

下宿分手伝う?

一方で書生をしている人たちは、経済的に困窮している人たちが多くいました。彼らは下宿代も払えないために、地方の篤志家の家などに住まわせてもらう代わりに、簡単な家事の手伝いなどを行っていました。さらに彼らは将来のエリート候補として篤志家のそばで、見習い仕事なども行っていたことから書生といわれていました。これは篤志家にとっても書生が、将来官僚になって出世した場合にはなにかと便宜をはかってもらえるといったメリットがあったといえるでしょう。

住み込みの話

この書生というのは明治時代後半になるにつれて減ってゆきます。それは学生専用の寄宿舎やアパートなどが整備されていくことによって、住み込む必要がなくなったのです。とはいえ、いぜんとして経済的に困窮している学生を地方の篤志家が支えるといった文化が存在していったのは確かでしょう。さらに、 篤志家ばかりではなく政治家志望の人間が政治家の家に居候する、作家志望の人間が作家の家に寄宿するといった、目的に特化した書生も誕生していくことになりました。