故郷喪失者の物語とは?

故郷を喪失するという体験は、日本人ならばあまり経験することがないと言えるかもしれません。もちろん両親や親戚などがすべて亡くなるなどして、生まれ育った田舎をなくしてしまった人はいるでしょう。しかしながら、それは故郷の完全なる喪失ではありません。


台湾はどうなる?

そのような故郷喪失を体験した人たちがいます。それが台湾の人々です。野嶋剛による『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』(小学館)は、そんな台湾の故郷喪失者たちの群像を追った作品です。

日本と台湾の歴史は?

台湾は、元々は中国の前身である清の時代には統治が及ばない場所とされていました。それが日清戦争後に日本領土となり、日本の台湾への統治が始まります。つまりはその当時、台湾の人々は外地に位置する日本人であったのです。第二次世界大戦が終わると中国の統治下となりますが、じきに本土との対立が生じるようになります。

二度捨てた台湾

さらに、1972年に日本が本土の中華人民共和国と国交を結ぶと同時に、これまで国交のあった台湾とは断交となりました。これにより、日本は台湾を二度捨てたことになると著者は指摘しています。本書では、日本と中国の間で揺れ動く台湾人たちの姿が描かれています。身近な国の歴史を知ることも重要なのではないでしょうか。

    
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