香港と日本の対話

香港と日本は近いようで遠い存在です。香港は、99年間にわたりイギリスの植民地、アジアの中の西洋として存在してきました。一方の日本も、戦後は7年間にわたってアメリカに統治を受け、現在もアメリカ軍が駐留するアジアの中のアメリカと言われることもあります。そんな香港と日本の知識人が往復書簡を交わした本が、福嶋亮太と張イクマンによる『辺境の思想 日本と香港から考える』(文藝春秋)です。


辺境にある

本書では、日本と香港がそれぞれ辺境として位置づけられています。日本は極東にある経済大国であり、香港もイギリスから見れば極東にある辺境です。さらに、巨大な中国大陸の辺境に存在する自由の島としても香港は位置づけられるでしょう。小さい面積を持ちながらも、巨大な経済発展を遂げた2つの場所は、似通っているのかもしれません。そこから眺める風景はどのようなものなのでしょうか。

民主主義を考える

さらに、本書では香港で起こった雨傘運動についても意見が交わされています。これは同時期に東日本大震災を受けて起きた反原発運動からの国会前行動なども日本では起きているため、同時代的な現象と捉える動きもありました。福嶋亮太は中国文学を専門とする研究者ですが、香港などの広東語圏に関してはそれほどなじみがなかったようです。中国という大雑把なくくりでは見えてこない、微分された世界もそこからは立ち上がってくるといえるでしょう。

    
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