ポスト・ヒューマンの人文学とは?

文学部不要論といったものがとなえられて久しいです。しかしながら文学部で主として教える分野である人文科学は、もっとも人間の叡智に向き合ってきた学問であるといえるでしょう。この人文学は、古くさいものといったイメージもありますが、決してそんなことはありません。来るべき、というよりもすでに到来しているネットワーク社会においても、十分に応用可能なものであるといえるでしょう。

人文学の未来とは?

ロージ・ブライドッティ著作、門林岳史監修翻訳による『ポストヒューマン:新しい人文学に向けて』(フィルムアート社 )は、新たな人文学へ向かって出発するための書物であるといえるでしょう。これまでの人文学のキーワードであった近代、西洋、白人といったものに根本的な疑義をつきつけて、新しい人文学の形を提示しているものが本書です。何を示しているのかよくわからない、難しそうといった抵抗を持たずに読んでゆけば、人間の進化といったものも自然とわかるかもしれません。例えば、今当たり前につかっているネットワークのガジェット、スマートフォンは、近代の人からみたらどう見えるでしょうか。

人間ですらななくなる?

さらに人間というのはどこまで拡張していくのでしょうか。不老不死のその先にあるものとは、人間中心主義の脱却とは何か、といった抽象的なテーマがいくつも論じられています。そうした世界に興味がある人はまず手にとってみてはいかがでしょうか。