100年の難問はなぜ解けたのか - ポアンカレ予想と数学者の軌跡

「フェルマーの最終定理」といえばご存じの方も多いと思います。サイモン・シン氏によって書かれた『フェルマーの最終定理』はあまりにも有名で、書店に行けば必ず置いてあります。それに対し、「ポアンカレ予想」をご存知の方は殆どいないかと思われます。しかし、ここにもフェルマーの最終定理同様のドラマが隠れていました。定理1つの証明に命を燃やす人間がここにもありました。


1. ポアンカレ予想についての予備知識

  • 1904年に考えだされ、2006年に証明された
  • 解いたのはロシア人数学者のグリゴリー・ペレルマン
  • 当時37歳
  • フィールズ賞(ノーベル賞以上に権威がある)が贈られるも辞退
  • 現在は山の中でキノコ狩りにお熱

ポアンカレ予想にまつわること

「ポアンカレ予想」はミレニアム懸賞問題7問の1つ。アメリカの数学研究所が発表した数学上の未解決問題をミレニアム懸賞問題といいます。解決した人に与えられる懸賞金はなんと100万ドル。何人もの数学者がポアンカレ予想、はたまたミレニアム懸賞問題に挑み人生を駄目にしてきました。その問題をペレルマンは37歳という若さで解決してしまったのです。ポアンカレ予想自体の解説は割愛しますが、ペレルマンはとんでもないことを証明してしまったのです。

ポアンカレ予想を証明すると起こる良いこと

ポアンカレ予想の面白いところは、予想が証明されることで宇宙空間全体の形や、頭の中でしか考えられない4次元以上の空間の形/性質が研究できるという点です。頭の中でしか考えられないことが増々理論付けられ、拡張していくのです。加えて、更に面白い点は、ペレルマンが解いたポアンカレ予想が解いたのは3次元についてのこと。4次元以上のポアンカレ予想については3次元に比べ、あっさりと証明されており、3次元だけが最後にして最大の砦として数学者の前進を拒んでいたのです。

ポアンカレ予想の解説をしたが...

ペレルマンが証明を提出した先はとあるウェブサイトでした。誰が証明を書いたかわからず、要約しか書かれていないもので信憑性に欠けるものでした。しかし、その証明がペレルマンだと判明すると話は別。早速、ペレルマンを呼び出し、解説をさせましたが解説を聞いた数学者は誰一人理解できなかったそうです。ペレルマンの証明は微分幾何学と物理学の手法を使って解いたものだったからです。

ペレルマンのその後ですが、100万ドルの懸賞金を手にする権利を得たペレルマン。しかし、賞金を辞退し現在は無職でサンクトペテルブルクで母と細々と暮らしているそうです。

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