膨大なカルチャーの記録にふれる

日々どんな映画を見ているのか、どんな音楽を聞いているのか、どんな本を読んでいるのかといったカルチャーの記録をつけている人は少なくないでしょう。それが著名人ともなれば、その人の生活の内側を見ることができる、知ることができる楽しみや喜びといったものに結実していくこともあるでしょうね。

膨大な記録

そうした膨大な記録のいったんをかいま見ることができる書籍が中原昌也による『中原昌也 作業日誌 2004→2007 』(boid)です。本書は中原昌也の日々の生活の記録というよりは買い物の記録です。小説家、ライターとして活躍する著者は、原稿料が入るたびに、そのほとんどをCDやレコード、あるいは映画のDVDといったものへ換えていきます。そうなると当然お金がなくなりますが、すると、今度は買ったものを、売りに出してお金を作ります。そしてお金が入ると再び買い戻すという生活を続けているのです。そこにあるのは圧倒的な消費の記録というべきものでしょう。

食事の記憶も

さらに、そうしたカルチャー文物だけでは当然生活していくことができません。編集者や友人たちと会って食事をするさまも記されています。そのほかは体調が悪くて一日寝ていたといったところまで記されており、まさにプライベートをすべて開陳といった様子になっています。それでも消費をやめないさまは、ある意味では現代に生きる人としてはたくましさも感じるものだと言えるでしょう。音楽家、小説家としてどういったものをインプットしているのかといった点が気になる人にもおすすめです。