日本語を外から考える

日本は国際化社会を迎えると言われています。それでも日本国内においては、英語をきちっとしゃべれる人というのは少数派と言えるでしょう。その点においてはドメスティックな世界が広がっていると言われています。やはり日本というのは一億人の人口がいるわけですから、そうしたことはあるでしょうね。

日本語の外側から

そうした日本と日本語を外側から考えようとする書籍がリービ英雄の『バイリンガル・エキサイトメント』(岩波書店)です。著者はアメリカ人の日本文学研究者として知られる人物です。さらに幼少期は宣教師である父親につれられる形で台湾で過ごしていました。その時代の台湾は、日本の統治が終わった直後であり、慌てて帰って行った日本人住宅で、日本の書籍やレコードに触れて著者は育ちました。そこから、中国ではなく、もうひとつのアジアの国である日本への興味を抱くようになるのです。

対話からはじまる

本書では日本人でありながらドイツに住んでドイツ語でも創作を続ける多和田葉子、さらに著者の教え子であり、台湾に生まれ、日本で育った作家の温又柔との対話も収録されています。日本語というのはこうした対話からはじまるというものもあるでしょう。相手との言葉を交わすことで、内側に閉じているはずの言葉が生き生きと立ち上がってくることもあるわけです。そうした気付きが得られることも大きな発見と言えるかもしれません。