90年代サブカルは呪われている?

90年代サブカル、といったものがよく回顧されるようになりました。特に人権無視もはなはだしい鬼畜系と呼ばれる一連の動きについて、あれはなんだったのかが問い直されています。アダルトビデオの出演強要問題や、あるいはバカッターなどの悪ふざけ動画投稿問題などに、90年代サブカルチャーの一分野である鬼畜系があるのではないかとも言われていますね。


なんでもあり?

そのような90年代サブカルを問い直した本がロマン優光による『90年代サブカルの呪い』(コアマガジン)です。本書においては、90年代サブカルの特に鬼畜系と呼ばれるものを時系列に追って整理しています。例えば雑誌などに載っていた死体写真ですが、死体愛好家といった特殊な趣味の人は昔からいたにも関わらず、90年代にブームとなることで多くの人の目に触れることになります。当然ながら、それに顔をしかめる人がいる一方で「こういうのもおしゃれ」といった奇をてらった人を惹きつけた事実もあります。実際に『危ない1号』の第1巻は15万部も発行されました。

数が多かった?

あのブームは何だったのかと言えば、ひとつの結論として人が多くおり、趣味趣向も無数にあり、自分は個性的と主張したい人は、鬼畜系を愛好しているフリをしていたのではないかという暫定的な結論が出されています。美学とか芸術の分野でどうのこうのではなく、単にあれもあるこれもある、の一つとして鬼畜系があり、その内容が内容なだけに目立っていたといっただけなのかもしれません。本書ではあの時代を「伝説の○○」とふりかえるようなことはしていません。一方でネットで巻き起こったような糾弾調でもありません。その点においてフェアな立場にいる本だと言えるでしょう。

    
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