90年代はどう語られてきたのか?

十年一昔といいますが、いまの時代は90年代の気分を引きずっているのではないか。そのような思いにとらわれることは少なくないでしょう。テレビを見れば、20年から30年くらい同じ人が出続けています。


90年代を分析する

それでも、今から振り返ってみれば確かに90年代であったと思わせることもあるでしょう。そのような世界を丁寧に分析した本が倉橋耕平による『歴史修正主義とサブカルチャー』(青弓社)です。本書ではネットに溢れる間違った歴史観、歴史修正主義はどのように生まれていったのか、それを90年代のメディアの言説分析に求めます。

どんな時代であった?

90年代とはどんな時代であったのか。ひとつは左翼が強かった時代と言えるでしょう。社会党と共産党は常に選挙においては3分の1以上の議席を獲得していました。さらには、メディアにおいても朝日新聞や岩波書店といったオーソドックスな場所に元気がありました。そうした雰囲気へのカウンターとして右翼言説は存在していたといえるでしょう。さらに90年代の終わりになるとインターネットが普及してきます。そうなると、メディアが必ずしも真実を報じているとは限らないといった物言いがなされるようになりました。それを著者は参加型文化と名付けます。現在へ至るまでの言説の変化がわかる本だといえるでしょう。

    
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