80年代とはなんだったのか?

1980年代というと、もう遠い昔の話のようにも思えます。しかし、いまだにテレビや出版などのマスメディアで活躍している人たちは、いわゆる80年代に学生時代を送り、90年代に世の中に出てきた人たちが大半です。いってしまえば、時代は30年もの間変わっていないのです。


何があったのか

そんなはじまりの80年代を記した本が橘玲による『80'sエイティーズある80年代の物語』(太田出版)です。著者は80年代に、サブカルチャー雑誌『宝島』の版元として知られる宝島社に入社し、多くの書籍やムックを手がけてきた人物です。90年代に入ると、大人世代の雑誌として刊行された『宝島30』の編集長につきます。この雑誌は、オウム真理教関連のスクープ記事を多く連発したことでも知られました。著者にとっての80年代は1995年までが区切りということで、本書ではオウム騒動までについて記されています。

泡と夢の日々

著者にとって、当時の宝島社は社員も若く、大学のサークルのような感覚だったといいます。これは正直な言葉であるといえるかもしれません。広告収入が大量にあるがゆえに、自由なものづくりができるメディアの制作環境が用意されていたのが80年代であり、90年代であったといえるでしょう。本書は一人称のナイーブな文体ともあいまって、そういう泡のような時代、まさにバブルが確かに存在したのだと気づかせてくれる本です。貴重な一時代の記録といえるでしょう。

    
コメント