メディアはマッサージ?

メディア論の古典として、マーシャル・マクルーハンの『メディアはマッサージである: 影響の目録』(河出文庫)があります。これは何を意味するものなのでしょうか?

言葉の意味するものは?

「メディアはマッサージである」はあるいは「メディアはメッセージである」とも訳されます。メディアというのは言うまでもなく目的があって存在しています。ラジオから音楽が流れるのは、レコード会社が音楽を売るためのプロモーションとして流されます。同時に、心地よい音楽を流すことで受け取る人にリラックスした効果をもたらすこともあるでしょう。ラジオという媒体を通して音楽というメディアが流されることによって、受け取る人間の聴覚を刺激する、つまりはマッサージとなるものです。

拡張のメディア

さらにマクルーハンはメディアは身体の拡張であるとも説いています。テレビカメラは視線の拡張であり、ラジオは聴覚の拡張となります。家にいながらにして世界の紛争地帯のニュースを、手に取るように得られる。自らの感覚の延長線上にメディアがあるのです。マクルーハンがメディア論を記したのは、1960年代のことです。このころはラジオやテレビは存在していましたが、インターネットは存在していません。しかしながらこの時点ですでに情報の双方向性などについてマクルーハンは言及していました。その点においてもメディア論の先駆的な作品だといえるでしょう。