ハゲワシと少女とは?

報道というのは、決定的瞬間を切り取るものです。そこでは、ありのままの現実が映し出されています。そこから、人の心を動かすこともあれば、時には政治を動かすこともあります。それほど報道というのは、影響力が大きなものだと言えるでしょう。

決定的な写真

そうした報道写真の歴史において、議論を呼び起こすものに「ハゲワシと少女」があります。これは南アフリカの報道写真家であったケビン・カーターが撮影した一枚です。1993年に内戦が続くアフリカのスーダンで、やせ細った少女がおり、そのそばでハゲワシが少女を狙っている姿を映し出しています。

非難が殺到

これはアフリカの飢餓や貧困を示したものとして、ピューリッツァー賞を受賞します。これは報道写真としては名誉ある賞だと言えます。しかしながら、この写真に対して非難が殺到しました。少女を助けず、いままさにハゲワシに喰われようとしている姿を撮影するという行為が果たして正しいのだろうかというものです。実際はこの写真は食料配給の場で撮られたものであり、ハゲワシはそれを目当てに集まっていたと言われています。さらに少女は母親がおり、母親が食料を受け取る間に少女をそこに置いていたとも言われているのです。さらに撮影者は撮影後にハゲワシを追い払っていたともまわりのカメラマン仲間が証言しています。しかしカメラマンはのちに自殺してしまいました。いくつもの誤解と不幸が重なってしまったのでしょう。