衆院解散総選挙で争点化する集団的自衛権の是非 今こそ耳を傾けたいイスラム国(ISIS)とイラク政府に

2014年11月21日安倍首相は「アベノミクス解散総選挙」と銘打ち、衆院を解散しました。12月2日公示、14日投開票に向け、各地で舌戦の続く総選挙も早、中盤。野党に下野した民主党は11月24日に発表した衆院選公約に、集団的自衛権の行使を容認するため、安倍政権が7月に行なった閣議決定の撤回を盛り込みました。アベノミクスで有権者の信を問う選挙戦を全面に打ち出す安倍一色カラーで圧倒的有利な与党に対し、維新の党など、野党側は各地の舌戦で有権者の支持を得るべく苦しい闘いを強いられています。自民党内でも異論のある集団的自衛権を改めて争点化したことで、リベラル派の票を集めたい野党民主党にとっては自民党内でも異論のある集団的自衛は苦肉の策といったところ。

私たち有権者はこの集団的自衛権という争点に対し、改めて何を考慮して投票へ臨むべきなのでしょうか。折しも衆院解散の前日11月20日に「イラク戦争の検証を求めるネットワーク」(事務局長・フリージャーナリスト志葉玲氏)が主催した元イラク派遣米軍海兵で現在は反戦運動家のロス・カプーティ氏の記者会見が東京都内で行なわれていました。会見場では2004年にイラク邦人人質事件で衆目を集めたイラク支援ボランティアの高遠菜穂子氏によるイラク現地報告もありました。今、イラクで何が起きているのか。大手メディアから聞こえてくるだけのイスラム国(ISIS)の報道を鵜呑みにしていいのか。そして、安倍首相が言う「集団的自衛権限定容認」という言葉がどれだけ私たち日本人にとって危険な物なのか。今回は新たに争点化した集団的自衛権を巡る論議の整理をすると共に、イラクの現地の声を届けるため全国を回ってきた反戦運動家たちの切なる訴えに耳を傾けてみましょう。

大手メディアと有識者が俯瞰的に伝える対ISISテロ情勢

2014年11月12日午後、日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国による首脳会議がミャンマーのネピドーにある国際会議場で開かれ、テロ対策強化に関する共同宣言を採択しました。宣言はイスラム過激派テロ組織「イスラム国(ISIS)」を念頭に「暴力的過激主義への」対処を明記。日本におけるISISの報道は、2014年10月初頭の北大生志願兵事件を始めとするISISのSNSを駆使した勧誘戦線に偏向していましたが、2011年4月から泥沼化しているシリア内戦の渦中にある「シリア北部ラッカという人口20万人程の街が(血みどろの戦場となって)あれほど荒廃していたにも拘わらず、イスラム国(ISIS)が支配した途端に内戦がぴたりと止み、今では女性が市街を歩けるようになっている。イスラム国(ISIS)は病院や橋、学校を次々と建設し、技術者を優遇。そればかりかサダム・フセイン時代のテクノクラート官僚まで取り込んでいる」と独立総合研究所社長でジャーナリストの青山繁晴氏が「ザ・ボイス そこまで言うか!」(2014年11月13日放送)の中で指摘しました。

 この2000億以上の軍資金があるといわれてきたISISによるイラクとシリア国境を跨ぐテロ情勢が日本の主要紙などの国際面で報道されるようになったのは今年6月からですが、実は、2014年1月5日の時点で既に「(同組織に)イラクの首都バグダッドからわずか69キロメートル離れたイラク西部アンバル州のファルージャを征圧された」とイラク治安当局はAFP通信の取材に応じていました。

「中東の目」(2014年11月21日)によると、米国統合参謀本部議長マーティン・デンプシー氏は2003年から2011年にかけて米国が主導したイラク戦争とは「違った対応」をすると米国の国防安全保障を主に扱うニュースウェブサイト“Defense One”が主催した会議で述べました。オバマ米大統領は2014年11月7日に対ISIS掃討のため「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」(地上部隊を送れ)へと対テロ戦略を転換し、さらに1500人を増派しました。陸上での開戦には至っていないものの、これまでに総計で3100人に上る陸軍がイラクに派兵されています。

英「フィナンシャルタイムズ紙」(2014年9月27日)によれば、ISISに対するオバマ氏の対テロ戦争から明らかに恩恵を受けるのは、シリアのバシャール・アサド政権だとしています。米国防省は否定していますが、アサド政権の関係者は今、米国防省と連携して空爆を行なっていると吹聴しているとか。しかし、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタールは逆の結果を念頭においてオバマ氏の戦争を支持しているといいます。米国がいずれアサド政権に咆哮を向けることを望み、それ以上に米国がシリアの揺るぎない後ろ盾であるイランと核問題で合意する可能性を潰すことが狙いとしてあるというのです。

”Iraq Body Count” (2014年11月30日)の発表によれば、2003年イラク戦争開戦後から2014年までに、暴力によって死亡したイラクの一般市民の数は約15万人に上っています。武装した戦闘員も含めれば全体の死者数は20万2000人。イラク政府の発表(2013年3月)によれば、夫を失った女性は約100万人、戦災孤児は450万人にも及ぶというのです。アフガン戦争での一般市民の死亡者数を合わせればそれ以上に殺害された犠牲者数は計り知れません。

「米国同時多発テロが起こった際、亡くなった犠牲者数は約2700人だった。これに対して、アフガンとイラクに派遣されて亡くなった米兵は6000人以上。
そこまでの犠牲を払って尚、米国は対テロ戦争に勝利できず、それどころか、過激派達をさらにネットワーク化させ、世界中に浸透、拡大させる結果になっっている。これこそ、これからの日本の次世代の近い将来を支配する『集団的自衛権の行使』によって行なわれる戦争の『現実』なのだ。」と東京外国語大学大学院教授(紛争・平和構築)の伊勢崎賢治氏は指摘しています。
日本政府の発表を鵜呑みにしてはならないのは、イラク戦争では日本の自衛隊には死者数が出ていないという政府発表は嘘であるということです。

「クローズアップ現代」(2014年4月16日放送)の「イラク派遣 10年の真実」が、帰還した自衛隊員でPTSDを患い、自殺した犠牲者は28人にも及ぶという真実を明らかにしているからです。

このように、大手メディアの報道や有識者による俯瞰的な視座でイラクテロ情勢が断片的に語られる中、実際にイラクの現場に入り、戦闘や支援活動経験を持つ反戦活動家達の声に今こそ耳を傾けるべきなのではないでしょうか。次項目でファルージャの現在の実態を詳報します。

元イラク派遣米軍海兵・反戦運動家のロス・カプーティ氏と高遠菜穂子氏が訴えるファルージャの窮状

2014年11月20日に「イラク戦争の検証を求めるネットワーク」(事務局長・フリージャーナリスト志葉玲氏)が「イラク戦争から集団的自衛権を問う」スピーキングツアーで日本に招聘した元イラク派遣米軍海兵で、現在は反戦運動家のロス・カプーティ氏。イラクの戦争犠牲者への「賠償プロジェクト」の共同設立者となり、難民、国内避難民支援や医療支援だけではなく、和解、平和構築などにも取り組んできました。

カプーティ氏は2004年イラク戦争派遣当時、大量破壊兵器の有無を巡る論議などで国際社会が紛糾していることなど特段な予備知識を持たずにただ『世界を見て回りたい』という非常に自己中心的な理由でイラク戦争に参加していたと正直に語りました。2004年6月に行なわれた第2ファルージャ総攻撃はイラク戦争時に行なわれた米軍最大規模の攻撃。この時、イラク市ファルージャでは住民による抵抗運動が非常に活発だったため、米軍はイラク抵抗軍を殺害するために700名もの民間人を巻き込み、尊い命が犠牲となりました。

しかし、一介の米海兵であったカプーティ氏にとっては上官からの命令以外、そのような事態が起きていたことについて何も知らなかったのだそうです。
第2ファルージャ総攻撃の米国側の目指していた意義とは、選挙や民主的な憲法を作ることで新政権を樹立させることでしたが、あれから10年後の今、ファルージャは再び攻撃に晒されています。

「オバマ米政権支援を傘に着たイラク政府による『第3ファルージャ総攻撃』と呼んでもいいかもしれないものだ。」とカプーティ氏は現在のイスラム国(ISIS)、イラク政府、米国を始めとする多国籍軍による三つ巴のイラク戦争をそのように呼称しました。

2004年のファルージャ総攻撃の後、このファルージャはガザのように外部世界から完全に遮断された青空刑務所のようになってしまったそうです。有刺鉄線で囲まれ、完全に他の街から遮断されてしまい、検問所も設けられました。人々は狭い空間に閉じ込められ、門限があり、常に監視下に置かれた暮らしを余儀なくされています。その中では雪だるま式に増える生死に関わる病気や奇形児、癌の発症率が非常に高いものになっていったのだと言います。

2011年に米軍がイラクから撤収した後もイラクのヌーリ・マリキ前首相がこれを継承した腐敗統治を行い、2012年12月から「イラクの春」と呼ばれるイラク全土の市民抗議活動が沸き起こりました。

これらの抗議活動は主にスンニ派が多い州で行なわれ、それをシーア派がサポートするという形で続けられてきました。
その後一年を通してマリキ政権は抗議者の声を無視し、繰り返して軍隊を派遣してイラク市民抗議運動を鎮圧しました。しかしその黒幕こそが米国であり、イランの支援だったのです。米国は軍事資材、空軍、海軍の資材を提供し、イラクの新しい軍隊を訓練するために米国の指揮官(指導者)を派遣していたからです。

2013年12月30日、マリキ政権は軍隊を動員し、ラマディ市とファルージャ市に侵入しました。
実はこれは「抗議者の中にイスラム国の戦闘員が侵入したため」だという口実を作ったマリキ政権がISISの名を語り、利用していただけでした。
実際にはISISは全く関係がなく、マリキ政権のイラク軍侵攻から丸2日間が経過してから初めてISISはファルージャに侵入してきたのだと言います。
ファルージャの中に部族軍という地元武装勢力がいて、ISISと激しく抗争。ISISはこのままでは市内に入らないという決断をしていました。

しかし1月2日にイラクの内務省がISISによってファルージャの半分以上が征圧されているというデマを発表していたのです。その発表報道のデマがそのまま垂れ流しにされ、真実が闇に葬られた。

この報道を受けて米軍がイラク政府へ軍事支援に踏み切ることとなり、新型ミサイル、アパッチ攻撃ヘリなどをイラクに提供したのです。
特に理解してほしいのは「第3ファルージャ総攻撃の標的とされたのはISISではなく、部族軍だったということだ」とカプーティ氏は強調しました。

イラク支援ボランティアの高遠菜穂子氏は2014年10月までロス・カプーティ氏と共に米国内で主に「賠償プロジェクト」を行なっている仲間の2人と共にイラクに滞在していたといいます。

カプーティ氏が「第3ファルージャ総攻撃」と呼称したのに対し、高遠氏は「『第3次世界大戦』だと思っている。ラマディ、シリア、ファルージャだけじゃなく、ローマ法皇がスピーチで『第3次世界大戦』という呼称でこのISISとイラク政府、米軍のテロとの戦いをそう呼んだことで知られる(このテロとの)戦いは中東に限定せず、時間も国境も関係なくなっているからです。」と述べました。

2013年12月末から高遠氏が滞在し、支援活動を行っていたファルージャ総合病院が襲撃され治安部隊によって周りの人が殺されました。
7月から8月には180万人を突破した国内避難民の支援で300数十万円が投入されましたが、既にカプーティ氏が説明したようにISISの暗躍により惨状を呈する事態となってしまいました。

米軍だけではなく、半分はイラク政府の空爆によって逃げ出したことは大手メディアによってほとんど報じられていません。
表面的な発表報道からはイラクのアバディ新政権樹立の報道ばかりが華々しく報じられましたが、現地で地獄を見ていた高遠氏は、イラク政府が市民の声にほとんど耳を傾けない間に、高遠氏の友人の敬虔なイスラム教スンニ派が「『イスラム国(ISIS)』はイスラム教を代表しない」と批判したところ、「イスラム国」に逮捕され殺害されてしまったのだといいます。

「今、一番八方ふさがりになっているのは実はこのスンニ派教徒です。6月10日にモスルの地にある都市が空爆されたが8月の頭にはキリスト教徒やヤジディー教徒などがクルド人自治区に大量に押し寄せて脱出しました。」と兼ねてからイラク内戦の「対テロ」に名を借りたスンニ派狩りだと訴えてきた高遠氏は「私でさえこの時はアメリカに来てもらうしかないと思った」と本音を吐露しました。

イラク政府にも空爆され、米国にもアブグレイブで散々拷問されて素っ裸にされて凌辱されたスンニ派教徒でさえも人権侵害どころじゃない被害を負ってるにも拘らず、アメリカに来てもらうしかないと思ったといいます。それほどまでにイラク政府は、イラク市民の目玉をくり抜いたり、内蔵を身体から抉り出したりと悪辣非道な行為を繰り返してきているのだそうです。

「集団的自衛権の問題で怖いところは国際情勢鎖国日本で知らなかっただけでは通用しないのだということを九条の会の人たちにいくら訴えても、(イラクが)そんなことになっているとは知らなかったと言って、どこからも国内から声が上がらなかったことです。国内だけで自己完結している世界平和憲法を守るにはどうすればいいのか?1月末にヒューマン・ライツ・ナウがやっと声明を出してくれましたが誰からもリアクションがなかった。その間にも友達は死んでいく。1月から8月の最終段階に入る前になぜなにもできなかったのか。悔しくて堪らなかった。」と高遠氏は嗚咽を堪えきれませんでした。

集団的自衛権行使容認論議を巡る 米国の対テロ戦争に付きまとう日本の次世代のリスク

2005年の小泉政権の際、郵政民営化1点に争点を絞って衆院解散総選挙を行った与党自民党は、その分りやすさでポピュリズムを掴み、大勝しました。それと同様に安倍首相は「アベノミクス解散」という争点を全面に押し出し、民意の反発を全く無視した集団的自衛権や特定秘密保護法という有権者に卑近な重要争点を誤魔化して、今、選挙戦を勝ち抜こうとしています。

しかし共同通信(2014年12月1日)の第47回衆院選立候補予定者政策アンケートによると、政府の集団的自衛権閣議決定に対し、反対が民主党94%、維新の党でも78.8%という調査結果でした。

日本国憲法の九条を堅持することで、自国に対し、何らかの武力攻撃があった場合は「個別的自衛権の行使」はできます。ですが「他国防衛のための集団的自衛権の行使」は戦後、60年間違憲とされてきました。

2014年7月1日に安倍政権が閣議決定した「集団的自衛権発動の3要件」では現在の米国対ISISとの戦いに自衛隊を派遣することはできないことになると各主要紙では報じられています。

しかし、国際地政学研究所理事長で元防衛官僚の柳澤協二氏は自らが2003年のイラク戦争を支持していた点や、当時イラクのサダム・フセイン大統領が大量破壊兵器を所持していたことを確信していたという過ちを認めている元政府側の人間として「今の外交政策の根幹の問題は日米同盟を最高の守るべき砦として米国にどこまでも追従するという発想しかないことが問題だ。私がイラク戦争検証の中で調べたところ、日本というのは米国の武力行使に対して反対したことがただの一度もない。」と指摘しています。

また、日本国際ボランティアセンター代表理事の谷山博史氏はイラク戦争から約10年が経過して新たにイラクとシリアで暗躍するISISなどテロリストとの永遠の戦争をしているところでは和平協定は成り立たないとした上で、閣議決定された集団的自衛権容認のNGO職員などの「駆けつけ警護」を含む「国際的な平和協力活動に伴う武器使用」要件を見据え「代案を出し続けなければ、テロ支援という名の下で日本は一気に巻き込まれていく。集団的自衛権でなくとも、国連の安全保障じゃなくても当事国が要請したら自衛隊を派遣するということも含んだ閣議決定になっている。これは対イスラム国の場合もあり得るということだ。」と警鐘を鳴らしているのです。

歴代の元内閣法制局長官らもこぞって集団的自衛権容認の閣議決定を批判しています。その内の一人で現在は弁護士の阪田雅裕氏は「世界」(2007年9月号)「前内閣法制局長官に聞く 集団的自衛権の行使はなぜ許されないのか」の記事が掲載された当時から次のように指摘していました。「PKO法の場合はまずPKOに参加する必要があるということになり、では参加できるかという議論をし、九条が禁止しているのは自衛隊の海外における武力行使だから、武力行使をしないということであれば自衛隊といえども海外で活動はできる、武力行使をしないということをどうやったら担保できるか。その後、周辺事態法で日米安保条約の新ガイドラインに適応できるような自衛隊の運用という新しいニーズがあり、そこで『後方地域』という概念を組み立てて、現に戦闘が行なわれ、または活動の期間を通じて戦闘が行なわれることがないと認められる地域においては米軍の軍事行動を支援したとしても、米軍の武力行使とは『一体化』せず、九条の禁じる武力行使には当たらないという考え方に基づいて法律をつくり、それがアフガン、イラクでも同じように使われてきた。」その「武力行使」を閣議決定後の審議をもし特定秘密保護法の時と同様にほとんどろくに議論もせず、民意も反映せずに施行まで踏み切るとなると、NGO関係者の中では「イラクやアフガンの人々の日本人に対する認識が一変する。平和運動ではなくて、現場で活動する者にとって極めて危険だ」というのが共通認識なのです。

今回、アベノミクス衆院解散総選挙になったことで、秋の臨時国会期間が終わり、日米地位協定(ガイドライン)を含む全ての審議がストップし、来年初頭から5月の地方統一選挙までを見越した集団的自衛権の審議が再開されると見られます。
フリージャーナリストの志葉玲氏は「Yahoo! JAPANニュース」(2014年7月2日)で執筆した「『閣議決定では集団的自衛権の行使できない』元内閣法制局長官が断言−憲法や法律が優先、依然変わりなく」のブログで、大森政輔元内閣法制局長長官の言質を用いて「(自衛隊法や周辺事態法など各法の国会審議での改正を目指す)その都度、閣議決定の内容の問題がされ、憲法に違反するということが明らかにされるだろう」と今後を見据え警鐘を鳴らしていました。

いかがでしたか?日本にいると中国の脅威ばかりが際立ちますが、東アジア危機だけを見つめず、高遠氏が危惧しているような「国際情勢鎖国日本」を脱却する必要性を感じた読者の方もいるのではないでしょうか。イラクを始めとする中東で暗躍するISISのようなテロ組織の存在は私たち日本人にとっても、もはや看過できない問題となりつつあります。

というのも、現在行なわれている衆院解散総選挙で、もし自民党が再び大勝すれば、集団的自衛権行使容認が十分な審議がされないまま強硬施行され、既存の自衛隊ばかりか日本の次世代を担う若者たちが「自分たちが戦争に行かされる時代が来るのではないか」と危機感を募らせているからです。そんな日本の若者たちに対し、今回来日した反戦活動家のロス・カプーティ氏は自身を振り返り「私の戦争体験で最も大変だったことは、帰国してからのことでした。

戦争で戦っていた時は、米国がどれくらい悪いことをしていたか、イラクの人々を傷つけていたかを知ることができなかった。帰国し、事実を知った後にその罪悪感と闘うことがとても大変でした。私が帰国して知り得たのは、私が参加していた戦争がとても攻撃的なものだったということです。これは国防や国作りのための戦争ではなかったのだということがとてもよく分かりました。私が日本の集団的自衛権について心配しているのは、日本が米国の攻撃的、暴力的行為に巻き込まれることです。

そして多くの日本人が戦争に行き、私が経験したような『モラル・インジャリー(良心の呵責)』に苛まれるのではないか」ということを一番危惧しています。」と日本の次世代を担う若者たちへ真摯なメッセージを送りました。

「北大生イスラム国(ISIS)志願兵事件。私戦・予備及び陰謀罪から考える「特定秘密保護法」施行後に脅かされる報道規制」の詳細を調べる

参考本

「日本人は人を殺しに行くのか 戦場からの集団的自衛権入門(伊勢崎賢治)」

    
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