新人類、ニート

企業が新卒の募集要項を発表する12月1日より、大学3年生の就職活動が実質解禁となります。早い人では来年春には内定が出ることも。企業学生共にあまりに早い行動ですが、それも時代の流れ。その一方で、そんな戦争ともいえる就職活動の中で争いに脱落し、失意のうちにニートとなる人たちもいます。ニートと言えば負け組というイメージが強いですが、それは間違った認識かもしれません。ニートとはむしろ勝つために自ら進んで負けにいく、いわば、混迷した現代に現れた、新人類なのかもしれないという意見もあります。


■お金がなくても気にしない

高度経済成長時期に生きた人々は、貧乏を恥や苦痛なものだとしてきました。そして、現在日本は生産技術の向上により、あきらかに生産過剰な状態となっています。ですが、モノが有り余る時代に生まれた現代の若者は、食べるモノがない、という状態に陥ったことがないし、貧乏=餓死、といった戦後のような貧乏感もありません。そんな若者がニートになったところで、貧乏を苦にはしたりはしないようです。食べるために働く、という意識が限りなく薄く、お金がないことへの切実感や後ろめたさがないのもニートの特徴です。

■正社員の座に興味はない

ニートにほしいモノが何かと尋ねると、その多くが「別に……(ない)」と言います。モノにあふれた時代に生まれたニートは物欲もありません。戦後の高度経済成長時代やバブル時代は「物欲」と「正社員の座」が、時代をつき動かしてきました。しかし、ニートは、それらを敬遠しています。責任のある正社員を嫌がり、残業なんてもってのほか、食い扶持だけ稼ぐ、といったことも、彼らにとっては普通のこと。

物欲もないし、正社員の座にも興味がないニート。競争に向かず、がつがつしていない穏やかな性格は、まさに、経済成長を終え、ゆるやかに衰退していく新時代の日本を生きる、新人類と言えるのではないでしょうか。

■働くことの意味。生きることの意味を世に問う

仕事の分業化が進み、高度に進んだ現在は、底辺では流動的単純作業が増えています。つまり、やりがいのある仕事を見つけるのが、きわめて難しい時代となっているのです。

仕事が生き甲斐の時代は終わりました。ニートはそのことにいち早く気がつき、人はなんのために働くのか、真の幸福は果たして仕事の先にあるのか、といった疑問を、現代社会に投げかけているのかもしれません。

ニートを働く気のない人駄目間と決め付けてはいけません。これからの日本は、新しい時代にふさわしい、新しい価値観を持ったニートが、時代をリードしていくことになるかもしれませんね。

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