イスラム流の生き方に学ぶ

イスラム教と聞いて思い浮かべるイメージはなんでしょうか。まずは日本は世界でも有数のムスリムが少ない国のひとつであるといえるでしょう。そのため、戒律が厳しいのではないか、テロが怖いといったイメージばかりが先行してしまいます。

どのような暮らしをしている?

そのようなイスラムのイメージを変えるであろう本が常見藤代による『イスラム流 幸せな生き方 世界でいちばんシンプルな暮らし』(光文社)です。本書は、イスラムの世界を20年にわたって撮り続けているフォトグラファーの著者がイスラム社会の実態を記した本です。著者はイスラム圏を旅するばかりではなく、現地に住む人々の家を泊まり歩く暮らしを続けてきました。イスラム教には旅人をもてなす文化があるためです。そのため、普通の観光ガイドブックに載っているような内容とは別の世界も垣間見ることができます。むしろガイドブックの記述よりも、こちらの方が真実のイスラムに近しいものがあるとも言えるかもしれません。

文化トピックが多い

本書ではイスラムの食文化や結婚、男女の扱いなどについてそれぞれのトピックごとに記しています。さらに、最終章においては「イスラムと日本」というテーマが掲げられています。著者とイスラム社会との出会い、さらにはイスラム社会から逆照射するように眺めた日本の姿などが浮き彫りとなっています。単なる旅行記ではなく、そのひとつひとつの文明論である至高の一冊だと言えるでしょう。