用もないのに110番を利用するおバカ通報者の実態!

【110番への非常識な通報、昨年で95万件に増加。専用回線がふさがってしまうなど業務に支障も出はじめている】

警察庁発表のこんな実態が読売新聞の紙面を飾わせたのは先日のこと。
なんと、110番への警察業務と無関係な相談や要求が増加傾向にあり、2010年以降になると100万件をゆうに超えているというのだ。
事件・事故の緊急通報用電話である、110番。本来なら一般市民が巻き込まれる事故・事件の処理のために機能するはず。
しかし、モラルが欠けた現代では使わないことがソンだとばかりに、緊急性のない通報や事件事故と関係のない相談に、各地の警察が悲鳴をあげている。

今回お話を聞けるのは、通信司令室で働き、毎日信じられない通報者の相手に追われているという藤村さん(仮名・36歳)。
ただでさえ多忙を極める現場で苦労する彼らの嘆きを聞いてほしい。


1日1300件もの通報に追われる

K県警本部の生活安全地域部通信司令課指令室に配属されたのは、11年前の平成13年。
通信指令室には45名の警察官(女性警察官8名を含む)が勤務しており、通信指令官(警視)以下16名が、変則3交替の24時間体制で当直勤務している。
1日平均1300件余りの通報を受理し、府内の通報に対応。

通報者は“地元の警察署にかかっている”と思っている人間も多いが、県内の110番は、原則として県警察本部の通信指令室に接続される。
通信司令室は交番や軌道捜査隊と同じく交替制勤務制で、当番(2日にわたり16時間勤務)、非番、週休(または日勤)の三交替制で動く。
かなりハードな勤務体制で体調を崩す者も少なくない。
110番の受理中に指令台勤務員がカーロケータシステムを活用して、事件・事故の処理を管轄する警察署や現場付近を走行しているパトカーに
無線で“臨場指令”を行うのが、仕事内容だ。

ずっと受理台の前に座り、通報者たちの話に耳を傾けるのも精神力がいる。
電話の受答えと対応に遅れが出たりすると事件によっては重大な事態につながるからだ。
正確な場所(町名番地、目標物等)を聞き出し、事件や事故の発生場所を特定するのに苦労もする。

時には、「早く来い!」だとか「電話の応対が悪い、責任者を出せ!」などのクレームもある。
通信畑で約10年。市民のために日夜努力しなければならない立場ではあるが、
怒り心頭の相手を何とか宥めたりとモンスターペアレントでもあるまいし、クレームまで押しつけられるとたまったもんじゃない。

そして、通信司令室のメンバーたちが最近一番頭を悩ませているのが、不可解で道徳はずれの非常識電話だ。
実際、モラルに欠けた通報が重なった結果、警察官の現場到着が遅れるなど影響も出ており、警視庁では週に1度は30秒以上、110番回線がふさがる事態が起きている。
こんな電話内容が増えはじめたのが、ここ3~4年前から。

身の上相談から雨のお迎えまで…

4年前の通報で、困った電話の内容をオレははじめて受けた。

「はい、どうされました?」
「お、おい! トイレが詰まったから警察やったらなんとかしてくれ!」
「は、はぁ?」
「水が溢れかえってる! ティッシュが詰まったんや!! パトカー急行させてくれ!!」

おいおい、どういうことやねん…。呆気にとられ、二の句を告げない通報。
しかし同僚の話では、同様の困った電話を受ける者が多数いるというのだ。
通信指令室では、通報を受理すると、通報者と通話している受理台勤務員以外にも、
指令台勤務員や受理監督台勤務員など、複数の勤務員が同時に通報内容を聞く。
先輩の斉藤の受理台に入った電話の会話が聞こえてきた。

「嫁が私のことを邪魔者にするのよ! お願いです、刑事さん、話聞いて!」

悲壮感たっぷりの70代くらいのしわがれた女性の声。

「あぁ…そうですか…。あのう、こちらの電話は緊急用ですので。あの…相談事はちょっと…」
「そう、そうやって嫁も私のことをないがしろにして、話も聞いてくれない!」
「は、はぁ…」

孫のことや見て見ぬフリの息子のことを涙ながらに話し、まるまる2時間後、満足したように彼女は一方的に電話を切った。

この他、実際に通信司令室に入った信じられない電話の内容では…、

【部長がムカつく、なんとかならないか?】
【辞書で見つからない言葉の意味を教えてくれ!】
【114番はお金がかかるから、○○さんの家の電話番号を教えて】
【雨が降ってきたので、パトカーで家に送って欲しい】
【新しく購入した携帯電話の電源が入らない、どうしたいいか?】
【公園のトイレに入ったら紙がなかった、持ってきて!】

どれもこれも私的な要求ばかりだ。最近あった通報でド肝を抜かれたのは、コレ。

「はい!」
「い、今…路上で男と女が!」

切羽詰った電話の主。なにがあったんや!

「落ち着いて!そ、それで、どないしました!!」
「キスしてる! 興奮してきた! オレにはなんで女がいーへんのや! 女紹介しろ!!」

なんやコイツ、ホンマ信じられへん…何考えとるんや!

全国の警察本部では、神奈川、石川、広島など37都道府県の警察本部が、事件事故と無関係の通報・相談の実態を確認した。

なんでもないことでの通報、ましてやいたずらの通報は犯罪だ。
緊急な事件・事故の対応に支障をきたすので、絶対にしないでほしい。
緊急でない相談・要望等については、警察相談電話《#9110》や最寄りの警察署・交番へ。
どうか今一度、通報すべきかどうか良識を持って判断してほしい。

(丸野裕行)

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