アル中の弁明を読んで見る

アルコールは適度に付き合っていけば楽しいものですが、過剰に摂取した場合、体に大きな負担となります。同時に経済的な負担や、人間関係の崩壊などを招くこともあり、気がついたらすべてが終わっているといったことも少なくありません。アルコールでボロボロになった体は当然のことながら元に戻ることはありません。


誰が書いている?

小田嶋隆著作、木下晋也による『上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白』(ミシマ社)は、洒脱な文体で世の中を斬るコラムニストが、自身のアル中体験を綴ったものです。そこには壮絶な人生があるのかと思いきや、やはり文体はいつもの調子です。

弁明を聞いてみよう

著者は、ながらく雑誌などにコラムを寄稿するフリーライターとして活躍してきました。その前は、機械などのマニュアルを執筆するライター業なども行っていたようです。それらの仕事は家にいながらワープロに向き合えばいいわけですから、毎朝起きて、スーツとYシャツに着替えて会社へ向かうといったことありません。そのため、著者はずっと飲み続けていたそうです。選んだお酒は「ジンの水割りを薄め」に。アルコール度数の薄いお酒はお酒に含まれないとはアル中の弁明としてはよくあるものです。著者も、そうした思いでいましたが、一日中飲み続けていたため、合計するとけっこうな量であったと述懐しています。

理由をつける人たち

なるほどなと思わせるのは、著者が世の中の酒飲みたちの弁明をかわって記してくれているところでしょう。会社や家に居場所がないため、ちょっと一軒寄って飲まずには帰れない人たちがいるといったものです。さらには著者の同業者では、完璧主義すぎて原稿を完成させられない人が、酒でちょっと頭をゆるくして文章を書くといった事例も記されています。確かに、そういう無数の言い訳が飲酒へと繋がっているのかもしれません。気づきの多い本ですが、同時に恐ろしさのようなものも感じられる本だといえるでしょう。

    
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