怒りを適切に表現し、ドメスティックバイオレンスを防ぐ方法

ドメスティックバイオレンスを解決するには、怒りを適切に表現することが大切です。今回は、ドメスティックバイオレンスを治すために知っておきたい怒りとの付き合い方を紹介します。


■怒りを表すのは大切

誰かに腹を立てている時のことを思い出してみてください。たとえば、誰かの言動に、あなたが怒りを感じたとします。そんな時、その怒りを相手に伝えるだけで、普通は気分がよくなります。しかし相手が自分を守ろうとするために言い返したり、はぐらかしたりすると、話を聞いてもらえなかったように感じるでしょう。怒りを表す第一の目的は、胸のつかえをおろすことです。第二の目的は、相手の言動やその場のなりゆきが、自分に悪影響を及ぼしていることを伝えることです。第三の、最も重要な目的は、相手とのより深い親密感を感じることです。自分の怒りを率直に表し、相手の怒りに耳を傾けることで、激しい怒りもしずまり、暴力をふるう可能性も減ります。

あなたは、言い争いを勝ち負けや正誤の問題としてとらえますか?
そのとらえ方は、怒っている人の話を聞きにくくしていませんか?

言い争いになるのは、一方が正しくてもう一方が間違っているからではありません。人は皆違うからです。また、パートナーから怒りを向けられることや「あなたのそういったところが嫌い」と言われることがありますが、それは、ほとんどの場合、自分でも好きではないところです。2、3分時間をとって、自分自身をみつめてみましょう。パートナーはあなたのどんなところが嫌いで、どんなことに腹を立てますか。あなたはそれについてどう思いますか。パートナーが腹を立てたり、いやがることは、あなた自身も変えたいと思っているのではありません

■怒りを適切に表現する

怒りは、押さえこまれていると暴力という形で爆発します。怒りを感じ始めたら、その気持ちを、相手を威嚇することなく率直に表せばよいのです。

■怒りをコントロールするために

怒りをコントロールするための第一歩は、怒りがまだそんなに激しくなっていない段階で、つまりそれが抑えきれないほど激しくなる前に、自分が怒っているということに気づくことです。通常、まず身体が怒りを察知しはじめます。その後、大分時間がたってから、自分が怒っていることや何に対して怒っているのかを認識します。

■怒りの激しさを数値で表す

「怒り」には、「しゃくにさわる」や「激怒」などいろいろな激しさのものがあり、その激しさによって、身体や言動に表れる徴候や怒りを表す言葉は異なります。ここでは、怒りの激しさをレベル1(最低値) からレベル10(最高値) の数字で表してみます。長年の経験からいえば、男性が自分の「怒り」を自覚するのはレベル5からレベル10の激しい怒りだけです。レベル1からレベル4程度の怒りの場合、たいていの人は無視するか、自分の内に押さえ込むことができるからです。たとえば、私たちはレベル1の怒りを「怒り」とは思わずに、「うっとおしい」や「いらいら」と呼びますが、これもまた怒りです。この目立たない怒りは心のなかで少しずつ蓄積されて、ささいな理由で爆発します。そのささいなことが大きな問題の引き金となります。そのため、低レベルの怒りに気づき、それを表すことができるほど、怒りの爆発もずっと減ります。怒りを抑えこむ人は、引きこもったり落ち込んだりしています。圧力鍋のようにいったん圧力が加わると、耐えきれなくなった時点で爆発してしまいます。自分が起こっていることに気づいて「私は怒っているんだ」と認めると、怒りの激しさのレベルが下がります。その時に、タイムアウトを使うという理想的な選択をすることは、自分のおかれている状況だけでなく、自分の人生をコントロールすることなのです。

■怒りが適切に表現できるようになったときの注意点

男性がある程度の期間カウンセリングを受けつづけ、女性との信頼関係が回復されはじめると、彼女のほうも自分の感情、とくに怒りや悲しみなどのマイナスの感情について話すことが少しずつ怖くなくなっていきます。それは、いままさに男性がしていることや言っていることについてかもしれませんし、過去のできことについてかもしれません。そんな時、男性は「なぜ、昔のことを蒸し返すんだ。もう終わったことだろう」と思うこともあるかもしれません。しかし、自分への憤りを彼女は長い間心に閉じ込めていたのだ、ということを理解する必要があります。彼女には自分の怒りを外に表すことが必要なのです。もしそういう機会がなければ、いつまでも間接的に示されるだけでしょう。

ドメスティックバイオレンスは一部の問題だけではありません。怒りを爆発させてしまう人は、上記の内容を参考にしてみてはいかがでしょうか?

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