DV加害男性のための専門相談とは

米国の殺人事件のうち13%は夫婦問のもので、女性被害者の約30% はDVが原因となっています。米国の正式統計では、毎年200万人の妻が夫から殴打されています。米国では18秒ごとにDVが起こっているが、警察に通報されるのは250例のうち1件のみです。日本では、DVで死亡した女性被害者は平成21年度で130人余り…犯罪や事件になる前に、DV加害男性のための専門相談について説明します。


加害男性の専門相談の流れ

1. 妻とストレスを激化しない対応や、妻を対等な人格として認めたうえでのコミュニケーションを身につける。

2. 本人の人生史上の問題がどう暴力につながるかを発見したり、現在の感情的バランスの回復をはかる。

1. は現実的なレベルです。これまで多くは些細なきっかけで言い争いが始まり、決まったパターンで口論が激化しながら、ついには暴力まで至ってしまいます。そのパターンを発見し、暴力に転落しないポイントを見いだして望ましいコミュニケーション・スキルを強化する作業を行います。

例えば、子どもの幼稚園の行事の時に着ていく服を、どの店で買おうかという話の対立がきっかけだったとしましょう。話の起こりから次に誰が何と言い、次にそれを受けて誰が何と言ったかを、カウンセラーは加害男性の話を聴きながら書きとめていきます。妻とのやりとりが、どのようなプロセスで暴力まで行き着いたかが図示されて、そのパターンが一目瞭然となります。最終的に夫が激情に駆られて、それ以降歯止めがきかなくなるきっかけを発見します。

それが妻の「あんたって、本当は子どものことなんか真剣に考えてないんでしょう!」という言葉だったとしましょう。言葉のやりとりのパターン図を見ながら、その妻の言葉になる前に、別のパターンに移行することが今までにあったかどうかを思い出してもらいます。ほとんどの場合、そのような例外が存在しているものです。その時どのような条件がそろっていて、別のパターンに移行したかを考えてもらいます。そしてそのような条件をこれからも作り出すには、何を工夫したらよいかを明確にします。そしてそれを定着するためにロールプレイを実施しながら、リハーサルを行うのです。

多くの人は暴力の原因を問いますが、本質的に重要なのは、「(本人にとって)得るものがあるから暴力を必要とする」ということです。つまり、暴力の目的とする中身が重要であって、傷ついたものの埋め合わせが、本人の人生の文脈の中で何であるかを見いだしていくのです。暴力による埋め合わせは、本質に届かない埋め合わせのため、何度やっても足りず果てしなく繰り返すことになります。これまで隠されてきた暴力の本当の目的を、暴力でなくより健全なやり方で獲得する経験を蓄積することが、加害男性の専門相談の目標となるのです。

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