事件を風化させないために

1985年の日航ジャンボ機墜落事故は、日本の航空史上の中でも凄惨な事故のひとつとされています。この航空機事故にはさまざまな謎が存在することで知られています。もっとも大きな謎は夕方遅くに墜落したのち、救助活動が翌朝になるまで行われなかった点でしょう。墜落場所の特定に困難を要したというのが表向きの理由ですが、すでに墜落直後に米軍が墜落地点を特定していたことがわかっています。

なぜを問いかける

青山透子による『日航123便墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る』(河出書房新社)は、日本航空のフライトアテンダントとして勤務していた著者が、亡くなった同僚たちの無念を晴らすべく、当時の資料などを精査することで、あらためて事件の真相に迫ろうとするものです。

目撃証言が多い

もっとも重要な目撃証言は事故現場となった場所で、小中学生が文集を記していたことでしょう。そこには飛行機が真っ赤に光っていたといった証言や、さらにジャンボジェット機を追うように2つの飛行機が飛んでいたといった証言が記されています。事故直後ならば捜索のヘリコプターなどが飛んでいた可能性はありますが、事故前に追尾、あるいは先導を行っていた飛行機は何だったのでしょうか。報道がなされていない事実が無数にあり、それを丹念に追いかけることで、真相に迫ろうとするのが本書です。まさに著者の執念というべきものも感じられる力作です。