「女子」という呪いは何か

女であることは、損なのか得なのか、よく議論の対象になるテーマです。しかし、そうした問いかけはなかなか結論が出ません。なぜならば、その人の個人的な体験や価値観といったものが多く反映されやすいテーマであるからです。


「女子」という呪い

そのような中で作家の雨宮処凛が記した本が『「女子」という呪い』(集英社クリエイティブ)です。本書は、40歳を越えた著者がこれまでに直面してきた、女であることのメリットやデメリットなどが実体験ベースで記されています。さらに著者は、社会的に不安定な立場に置かれている人々、職がない、人間関係がないといったプレカリアートと呼ばれる人たちと行動をともにする社会運動家としても活躍してきました。そのため、政治や社会といったハードニュースに関するコメントも多くあります。さらにはウェブ連載をもとにしているので時事ネタも多く、「このハゲー」で物議を醸したキレる女性議員といったネタも収録されています。

メンヘラである地獄

本書の中で最もヘヴィーな描写が続くのが、「呪い」と闘う女たちと題された章です。彼女は、高校まで北海道で過ごし、そこで壮絶ないじめを受け続けます。何度も自殺未遂を繰り返しました。やがてバンドの追っかけにはまり、サブカルチャーを求めて東京へやってきます。当初は美術大学の進学を目指して、予備校へ通いますが、勉強は進まず、むしろ社会への不満を爆発させていきます。やがて、当時も今でも相当珍しい右翼団体に女性として入り、それが「ミニスカ右翼」として注目されるきっかけとなり、作家デビューに至ります。彼女は現在では左翼的な立場にありますが、両者は何が繋がっているのでしょうか。そこに何者かになりたくてあがいていたという事実があるのは間違いないでしょう。彼女は本を書き作家としてデビューできましたが、そのまわりには命を絶ってしまった友人や、心を病んでしまった友人も大勢います。これがリアルな90年代の記録だと言えるでしょう。

    
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