なぜ生活保護の不正受給が流行しているのか

ここ数日、芸能人の身内が不正に生活保護を受給していたとして、生活保護制度が注目を浴びています。特に若者の中にはネットを通じて、生活保護、通称「ナマポ」を受給する方法などの情報を共有して、貧困を装い生活保護を受給しているという実態もあります。どうして、働こうとせずに生活保護を受給する若者が増えているのでしょうか?


■今働くのが辛すぎる

今や、大学卒業者の3人に1人が企業に入社しても3年以内に離職してしまいます。それほどまでに職場環境は悪いのです。というのも、企業は「コミュニケーション能力や主体性などを社員に求めますが、結局のところ、空気を読んでサービス残業できる人を選ぶのです。そうした採用を続けた結果、10年間で過労自殺の件数が9倍、過労死の件数が3倍という社内環境になってしまったのです。

■生活に差が出る

日本では、貧困者に限定した現金給付を行なっています。そうした垂直的な分配の現金給付では、生活保護を受給しているかどうかで生活に差が生じるようになってしまいます。貧困を装って受給する人間も出てくるのもその一因と考えられます

貧困を装い、生活保護を受給することは、幼稚園児のふりをして幼稚園に通うことや、老人のふりをして介護施設に通うことと同じです。このまま生活保護の不正受給が続けば、生活保護という制度そのものへのバッシングが起きてしまい、制度そのものがなくなってしまう可能性もあります。そうなってしまうと、真に救われるべき人が救済されなくなってしまう危険があります。

この先も生活保護に関する議論が続くと思いますが、生活保護の制度で救われるべき人が救われるように制度自体を改める流れに向かうのは間違いないですし、そう望みます。「働く」ということや、生活保護の状況はこの先も注意深く見る必要があるようです。

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「新しい貧困 労働消費主義ニュープア(ジグムント・バウマン)」の詳細を調べる

    
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