すべり台社会とは何か?

社会活動家にして現在は法政大学教授を務める湯浅誠が提唱したフレーズに「すべり台社会」というものがあります。社会の根本が揺らいでいる現在において、この言葉はより重要な意味を持ってきていると言えるのではないでしょうか。


そもそも何なのか?

湯浅誠は著書『反貧困:「すべり台社会」からの脱出 』(岩波新書)で、社会状況を分析して五重の排除を指摘しています。これはどのようなものなのでしょうか。まず教育課程からの排除があります。高校中退などによって教育を受ける機会を失います。もちろん自発的な中退もあるでしょうが、経済的な状況により生活できないといったケースもあります。次にあるものが企業福祉からの排除です。正社員であれば受けられる恩恵が非正規雇用にでは受けられなくなるのです。次に家庭福祉からの排除があります。これも重要な問題ですね。公的福祉からの排除もあります。こちらは生活保護などを示すものです。

最後はどうなる?

そして最後には自分自身からの排除があります。社会のあらゆる公的な保障が受けられないとわかったときに、すべてをあきらめて投げやりになってしまうものですね。これによって、社会のすべり台をすべり降りた人は、這い上がれない場所へと落ちてしまうのです。本書が記されたのは2008年ですが、湯浅誠が予期した社会がすでに存在しているのは確かではあるでしょう。

    
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