1. 至極
×しきょく
◯しごく
「至極」とは、極めてもっともなことや極みを尽くすこと、最上に達することや最上の境地をいいます。口語ではまったく道理にかなっていてうなずけることを表わし、「至極ごもっとも」「至極当たり前」などと使います。

2. 示唆
×ししゅん
◯しさ
直接言及せずに、それとなく知らせること。ほのめかすこと。「示唆に富む話」や「改正の可能性を示唆する」など、含みのある言い方をする場合に使います。間接的な言葉の暗示によって方向づけし、相手になんらかのきっかけを与える場合によく使う言葉です。

3. 悪寒
×あっかん
◯おかん
「悪寒」とは、発熱初期に感じる全身がぞくぞくとするような寒けのことをいいます。悪寒は、主に外気温や皮膚温の低下で起こりますが、嫌な予感がするなど、独特の不快な雰囲気を悪寒と呼ぶ場合もあります。

4. 慶弔
×けいとう
◯けいちょう
結婚や出産などのお祝い事と、死などの悲しいことすべての儀式を指します。慶事には結婚や出産、弔事には葬式などが当たり、すべてを総称して冠婚葬祭ともいいます。「慶弔電報」や「慶弔休暇」などの言葉は、日常会話でもよく使われます。

5. 割愛
×わりあい
○かつあい
大事だと思うものを思い切って捨てたり、手放したりすること。もとは仏教語で、愛着を断ち、煩悩を捨て去ることをいいます。「原稿量が多いので何枚か割愛が必要」などと使います。

6. 舌禍
×したか
◯ぜっか
自分の発言や失言が他人の反感をかったために受けるわざわい(禍)。また、他人の中傷や悪口などによって受けるわざわい。つまり、舌によってもたらされる禍のことです。ことわざでは、「口は災い(禍)の元」。

7. 一矢
×ひとや
◯いっし
一矢は「いっし」と読みますが、使い方は「一矢報いる」という慣用句に限られます。意味は、敵の攻撃に対して矢を射返すことです。転じて、自分に向けられた攻撃などに対して、大打撃は与えられなくても、できるだけの抵抗をすることを表わします。

8. 納戸
×のうこ
◯なんど
衣類や家財、道具類などをしまっておく小さな物置部屋のこと。昔は、寝室にも用いられて寝間とも呼ばれていました。現在は、建築基準法で居室扱いできないスペースを「納戸」と呼ぶこともあります。

9. 巧拙
×ちせつ
◯こうせつ
物事を行う場合の、巧みなことと、拙いこと。上手、下手をまとめていう言葉。たとえば、求人広告で「スーパーバックヤード作業員募集。調理の巧拙は問いません」といった使い方をします。なお、「ちせつ」の漢字は「稚拙」です。

10. 傍ら
×もっぱら
◯かたわら
すぐそば、すぐ近くという意味。「傍らの本を取り上げる」「傍らにはいつも愛犬がいた」などと使います。また、主となることをする合間に、という意味もあり、「会社に勤める傍ら父の店を手伝う」という使い方もします。「もっぱら」の漢字は「専ら」です。

11. 更迭
×こうそう
◯こうてつ
政界や中央省庁で使われる人事用語で、ある地位や役目にある人の地位や役職をはく奪し、他の人と代えること。役職を追われる場合は「罷免」とも表現されます。民間企業でいう「左遷」の意味に似ています。

12. 均衡
×きんしょう
◯きんこう
「均衡がとれている」とは、釣り合いがとれた状態のことを指します。二つ以上の物事の、力や重さの釣り合いがとれていること。「均衡を保つ」「均衡が崩れる」などのように使います。最近は、「バランス」という語のほうがよく使われるかもしれません。

13. 後手
×ごしゅ
◯ごて
敵に先を越されて、受け身になること。先手をとられること。「後手にまわる」「対応が後手、後手になる」というように使われます。囲碁や将棋では、先に指す人を先手、後攻の人を後手と呼びます。